初冬の微山湖:湖面に映る景色 新鮮な味覚に酔う旅人

初冬を迎え、霜が降り始めた微山湖は、盛夏の青あざやかな装いから、初冬の上品で落ち着いた衣替えをした。澄み切った湖面は鏡のように広がり、岸辺の黄ばんだ葦原や遠くに点在する漁家の小屋を映し出す。時折、水鳥が低空を舞い、優雅な弧を描き、静寂な湖景色に幾分明るさを添える。この時期の微山湖は、晩秋のもの寂しさはなく、むしろさむやかな空気と独特の風情により、詩情と生活の息吹を求める観光客の訪れ先となっている。

初冬の微山湖は、大自然が贈る「新鮮な食材の倉庫」である。水中の泥の中では、ふっくらとした蓮根が最良の収穫期を迎えている。漁師たちは小舟を操り、長柄の道具を湖底に差し入れ、枯れかけた蓮の茎を伝って掘り進めると、間もなく白く太った蓮根の房を引きずり出す。水から揚げたばかりの蓮根は湿った泥に包まれ、それを剥くと、実は歯ごたえよく、みずみずしくてほのかな甘みがある。生のまま味わっても、あるいは炒め物やスープにしても、湖の幸独特の本来の味わいを感じさせてくれる。

蓮根だけでなく、微山湖の魚も初冬は特に脂が乗って美味しい。半年以上の時をかけて育った鯉、草魚、鮒などは、身が引き締まり、脂が豊かで、食卓の主役となる。湖岸の漁家レストランでは、漁師たちが最も素朴な調理法で湖の幸の本来の味を引き出す。鯉の澄まし汁は乳白色でコクがあり、刻みネギをひとつまみ散らせば、芳醇な香りが鼻をつく。鮒の甘辛煮は濃い赤みがかった色つやで、細かく柔らかな身に味がよく染み込み、鍋の縁に貼り付けたトウモロコシの餅と共にいただけば、魚のスープをたっぷり吸った餅の塩気と甘み、柔らかさがたまらない味わいだ。

湖辺を散策すれば、葦原がそよ風にゆらめき、白い葦の花が風に舞い、冬の「雪」の宴のようである。夕陽が沈む頃、落日の残光が湖面に注ぎ、きらめく波は金色に輝く。漁師たちは舟を操り帰路につき、櫂が水面を切り裂いて残す幾筋かの波紋は、一幅の美しい初冬の漁舟帰航図を描き出す。観光客たちは、湖岸の遊歩道を散策し景色を楽しんだり、遊覧船で葦原を縫うように進んだり、あるいは漁家レストランで思い切り舌鼓を打ったりと、微山湖の初冬の心地よさと美しさを満喫している。

今、まさに微山湖の初冬の絵巻はゆっくりと広がりつつあり、美景と新鮮な味覚が織りなすひと時に、四方