9月の米中古住宅販売成約指数は前月比横ばいとなった。住宅ローン金利の低下という追い風があったにもかかわらず、雇用情勢への不安から買い手が様子見姿勢を続けた可能性が示された。
| キーポイント |
|---|
|
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表文で「9月には株式が最高値を更新し、住宅資産が増加したが、雇用市場の軟化傾向を打ち消すには不十分だった」と指摘。「住宅ローン金利は3年ぶりの低水準に向かっており、住宅取得の負担軽減がさらに進むだろう。ただ、政府機関の閉鎖が一時的に住宅販売の動きを鈍らせる可能性がある」と述べた。
9月の結果は芳しくなかったものの、住宅市場の専門家の間では、中古住宅市場が数年にわたる低迷を経て徐々に回復に向かっているとの見方が広がっている。住宅ローン金利は6.5%を下回る水準で安定の兆しを見せており、住宅価格も落ち着きつつある。
さらに、借り入れ当時の低金利を理由に売却をためらう「ロックイン効果」と呼ばれる現象も和らぎつつあり、在庫増加を後押ししている。
S&P・コタリティ/ケース・シラーがまとめた8月の米住宅価格指数では、買い手が交渉で優位になったことが示された。全米ベースの住宅価格は前年同月比1.5%上昇し、2023年半ば以降で最も小幅な伸びにとどまった。
関連記事:米住宅価格指数、約2年ぶりの小幅な伸び-在庫増で買い手優位に (1)
販売成約指数の地域別では、南部が1.1%上昇し、3月以来の高水準を記録。北東部でも上昇したが、西部と中西部では低下した。
住宅市場全体では、新築住宅販売が8月に2022年以来の高水準に急増するなど、足元で勢いを増している。一部のエコノミストはこの急増を月次の変動によるものと見るが、住宅建設業者が価格引き下げや販売インセンティブを用いて購入意欲を喚起している。
成約は通常、販売の1-2カ月前に結ばれるため、中古住宅市場の先行指標となる傾向がある。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Pending Home Sales Stall as Labor Market Concerns Build (1)(抜粋)
— 取材協力 Chris Middleton
(統計の詳細を加え、更新します)





