山東省済寧:源遠ければ流れ長く、根深ければ葉茂る

今年は孔子誕辰2576周年に当たり、「2025中国国際孔子文化節」が9月27日から28日にかけて山東省済寧市曲阜で開催される。

歴史に名を刻む済寧の文化は燦爛として華やかだ。古くからの孔廟、孔府、孔林から、数多い漢碑や漢時代の画像石に至るまで、一つ一つの文化財は先人の知恵と創造力の結晶である。今日の済寧は、国際孔子文化節というプラットフォームの優勢を活かし、文化の掘り起こしと解釈を強化することで、中華文明が持つ独特な精神的魅力を、この地でますます明確に、そして具体的に示している。

伝統と現代の融合を見せる

秋の気配が深まり、街に灯がともる頃、山あいをそよぐ微風に包まれた、済寧市曲阜の尼山山麓にある魯源村は、静かで落ち着いた雰囲気に満ちている。色とりどりの灯りが路地を飾り、村を散策すれば、童話の幻想的な世界に迷い込んだような気分になる。

デジタル技術の賦活、スマート化の応用、没入型体験を通じて、済寧は伝統文化の現代的表現方法の絶え間ない革新を続けている。明故城、尼山夜間観光など「十大新たな場景」を打ち出し、魯源村といった一批の重要プロジェクトを完成・運営にこぎ着けた。文化の「二つの創造」(創造的転換と創新的発展)と研修旅行を密接に結びつけ、観光文化消費の活力を持続的に喚起している。

近ごろ、アニメ映画IP『長安三万里』に基づいて改编された同名のVR(仮想現実)映画が済寧博物館で上映された。詩仙・李白が「故郷」済寧と“出会う”ことで、千年の時を超えた文化的共鳴の幕が切って落とされた。観客は李白や高適などの名人たちの傍らに寄り添い、朱雀大通りを歩き、岐王府を拝謁し、黄河の岸辺で酔いしれた李白が『将進酒』を吟じるのを横になりながら聴き、仙鶴に乗って瑰麗な天宮へ飛び立ち、気象万千たる大唐の盛景を自ら体験できるのである。

科技の賦活を基礎として、済寧市任城区は、博物館、河道総督署遺跡公園、太白楼、浣筆泉、運河記憶などの観光名所を有機的につなぎ、同頻共鳴させることで、済寧の観光文化シーンにおける新たなランドマークとしている。

現在と未来に影響を与える

朝もやの中の微山湖はきらめく波をたたえ、一隻の赤い(革命精神を伝える)宣伝船が水面を滑るように進む。宣伝員が拡声器を手に船首に立つと、力強い声が水音とともに岸辺の「連家船」(船を住居とする家)へと届く。

湖區住民の居住が分散し、流動性が高いという实际情况に対応するため、微山県は独自の特色を持つ「湖上宣伝」を展開している。赤い流動宣伝船が高楼郷渭河村などの水域を交替で行き交い、宣伝員たちが船べりに立ち、埠頭に集まり、「固定の講壇」を「流動する教室」に変えている。

微山県南陽古鎮では、地元の赤い歴史に詳しい老党員や老兵士を選抜して宣伝隊を結成し、改装した漁船に乗り、かつて抗日救国で知られた水路に沿って航行する。鉄道遊撃隊の故郷で、「赤い血脈」を継承しているのである。

湖上の宣伝船から街角の公園の拠点まで、赤い物語から民生政策の解説まで、済寧は優れた伝統文化が持つ価値の導引力と文化の結束力を不断に発揮し、優れた伝統文化を精神文明建設に融入させ、党の革新理論が人々の心に浸透するよう推進している。

今年の教師節(9月10日)前、済寧の約千校の小中学校が一斉に「拝師礼を行い古韵を継承し、師を敬う心で新風を継ぐ」敬師礼活動を展開した。生徒たちは衣冠を正し、師と先賢を敬い、先生に感謝のカードを捧げて敬意を表した。教師たちは筆を執って返礼し、師を尊び教育を重んじる雰囲気が大いに盛り上がった。

近年、済寧は孔子文化の授業への導入を積極的に推進し、「礼をもって教えを促す」モデルを構築し、「儒雅育人」「徳行少年」「養教有方」といった全環境立德樹人シリーズブランドを打ち立て、文化で人を教化し、徳で心を潤すことを促進している。

中国と世界を結ぶ

曲阜にある中華優秀伝統文化国際研修キャンプ地に足を踏み入れると、子供たちはたちまち、伝統と現代が融合した建築様式、豊富多彩な課程活動や非遺体験に引き込まれる。国内の研修チームに加え、このキャンプ地は海外への中華文化発信の重要なプラットフォームともなっている。キャンプ地内では、すべての街灯の基部に6か国語で『論語』の經典的な文が記されており、至る所に「国際的な風格」が漂っている。

さらに、済寧は孔子研究院、孟子研究院、尼山世界儒學センターなどの研究機関を拠点に、16大学と共に尼山世界儒學センター連合大学院を設立し、これまでに累計2553名の大学院生を募集・育成してきた。同時に、国内外から23名の儒学研究ハイエンド人材を招聘し、12の儒学研究ハイエンド学術チームを組織し、国際儒学研究分野における领先的地位を持続的に強化している。

先日、世界各国から集まった写真家たちが曲阜の孔廟を訪れた。雄大壮麗な万仞宮牆、気勢磅礴な古建築群、刻工精湛な石碑の数々に、彼らは深く感嘆の声を上げた。写真家たちが撮影した一枚一枚の写真は、済寧の歴史の底蘊と現代の華やかな篇章が互いに照り映える様子を生き生きと写し出していた。

国際孔子文化節を41回連続開催、尼山世界文明フォーラムを11回開催、国際友好都市に「中華文化の角・尼山書屋」を5か所設置し、「視聴済寧」「文化済寧」「済寧を歩いて読む」といった一連の対外宣伝プロジェクトを1300以上定常的に展開する…。長年にわたり、済寧は頻繁な人的文化交流活動を通じて、絶え間なく中国の物語を発信し、中国と世界が交流し、互いに学び合う架け橋を築き上げてきた。