東京都議会の自民党会派の「都議会自民党」の関係者が取材に応じ、長年、都議らが政治資金パーティーの収入の一部を政治団体に納めないいわゆる「中抜き」ができる運用になっていたと明らかにしました。
「都議会自民党」の関係者によりますと、6年前の政治資金パーティーでは、パーティー券を配る際ノルマを超えた分のパーティー券の扱いについては、都議などが集まる総会の場で「ノルマを超えた分はお好きにどうぞ」などと説明されていたということです。
この関係者は「明確に不記載や虚偽記載を示唆することばはなく『お好きにどうぞ』とどちらにも取れる表現をしていた。長年ノルマを超えた分のパーティー券の『中抜き』が行える運用になっていた。私は法に触れるとは思っていなかったが、言い方が腫れ物に触るような表現なので心の奥底では何かおかしい、と思っていたところ、一連の報道を見て『やっぱり違法だったのか』と思った」と話していました。
また、各議員に割り当てるパーティー券のノルマの枚数などの方針は都議で作る執行部が調整したうえで、通し番号で管理され、今回、略式起訴された事務職員が「金庫番」と呼ばれ、カネの管理を一手に引き受けていたということです。
東京都の元職員だったというこの事務職員については「元公務員なのできちょうめんなところがあり、選挙で選ばれた議員の依頼にできるだけ応えようと都議の命令に基づいて違法とは思わずにやっていたと思う」と話していました。
そのうえで関係者は「自民党の悪しき伝統だと思う。議員は、政策や選挙のことは一生懸命考えるものの、政治資金に関しては無頓着で、会計の担当者に任せておけばいいという意識の人が多かった。指摘されて慌てて修正するのではなく、事前にチェックする仕組みや専門の機関のようなものがあれば状況は変わったと思う」と話していました。