柘溝陶器

柘溝は千年の歴史を持つ古鎮である。6000年前の新石器時代から、ここは有名な陶器の産地だった。柘溝鎮の陶土資源は非常に豊富で、国家地質部門の探査によると、陶土の分布面積は26平方キロメートル、深度は6000メートル以上に及び、総埋蔵量は12億立方メートルを超える。陶土は白・赤・黄・茶・黒の五色を呈し、化学元素が全て揃い、配合比率が適切で、膨張係数が小さく、耐熱温度1580℃に達する。陶器製造に適しているだけでなく、鋳造砂型・井戸噴出防止・建材業界における最適材料でもある。さらにこの地の陶土鉱床は地表に露出しており、採掘が容易である。

勤勉で知恵ある柘溝の先人たちは、この豊富な陶土資源を基に窯を築き陶器を製作し、「土を器に変え」「土を金に換える」事業を興した。陶土に付加価値を与え、貨幣や富へと転換させることで、この古来の土地に魅力的な活力をもたらし、柘溝の風采を世に示した。

近年、柘溝鎮は科学技術の支え役割を十分に発揮し、陶器産業を大きく強固なものとし、特色ある地域経済の構築を推進している。『陶土業界総合整備実施方案』などの文書を制定し、陶土業界総合整備指導グループを設立して、陶土業の生産加工秩序の規範化を強化。無秩序な採掘や乱用を制止し、陶土の転売行為を法的に取り締まっている。地質専門家や権威ある陶土研究機関による化学成分分析を依頼し、陶土の品質鑑定を行い、等級分けを実施した。「借りた鶏で卵を孵す」戦略を実施し、資源優位性を活かした招商(企業誘致)を展開。既存企業のネットワークを活用した「以商招商」、工業団地を軸にした招商、親族ネットワークを生かした「親情招商」を推進し、「帰雁プロジェクト」を強化して、出稼ぎ経験のある実業家の地元帰還と陶器起業を支援している。これにより多くの陶器メーカーが柘溝鎮に進出し、陶土加工の新興企業は30社以上に達した。導入した資金・先進設備・技術・先端工芸を陶器産業に応用し、陶芸編鐘(へんしょう)・陶土粒・黒陶など多様な工芸品の新製品開発に成功。

同時に、多数の個人事業主が「レイモンドミル」「ボールミル」などの機械設備へ積極投資するよう導き、陶土製品を探鉱・化学工業(獣医薬品)・建材・鋳造業界などへ広く応用させている。陶土製品の年間売上高は数千万元に達し、陶器産業の発展は触媒のように柘溝鎮の運輸業・飲食サービス業を急速に成長させ、年間間接経済効果は1億元を超えている。